2017年02月26日

坊っちゃんの時代 全5巻


坊っちゃんの時代 : 1 (アクションコミックス)
<明治>という時間軸に交錯する群像を、関川夏央の気鋭の原作を得て、名手・谷口ジローが渾身の力で描いた話題作。歴史上の人物たちの同時代的邂逅が意表を突く!!

夏目漱石が主人公で、小説坊っちゃんができるまでの日々。
あらすじと表示でお堅いイメージしがちですが、内容はおちゃめな漱石さんがたっぷり出てきますw そして当時の明治の文豪や歴史的人物がたくさん登場し、ときにすれ違うというノン・フィクションっぽい雰囲気が面白い。教科書で知ったあの人はこんな生き方をしていたのか、とユーモアとシリアスを交えて描かれてます。

全5巻のうち、かなり意外だったのが石川啄木。働けど働けどわが暮らし楽にならず、という印象が強いのですが、じつはとても浪費家で女好き。しかも愛想がとっても良くて忘れっぽいものだから、借金がどんどん膨らんでしまいます。だから毎日、どう金策するのかばかり。
生前は文学者として無名だったのもあって、漱石や白秋らを羨む描写が人間らしいです。若くして亡くなりますが(それは作中には描かれず)、奥さんと娘さん、啄木の詩集が売れてよかったですね、としか言いようがないぐらいのクズっぷりでした。

ほかに森鴎外と舞姫エリスとの苦い恋や、飼い猫を失った漱石が臨死する話、大逆事件にまつわる明治の人々と不安、が芸術的に描かれています。やや難解で読み手を選ぶ作風ですが、明治や文学者に興味があればおすすめです。
ただし、ストーリー的に弱い部分があって、オチがない話が多いんだけど、これは明治という時代を読む作品なのでしょう。一コマ一コマからあふれる明治の人々の生き方をじっくりと楽しめます。

その他読んだ漫画


↑初々しいとしか表現しようがないほど、かわいいパリヤとウマルの恋! こんな幸せそうなカップルいるのか、思うほどラブ全開でした。今で言うコミュ障のパリヤちゃんが幸せになるのが本当にうれしくて……。同じ思いをしているのは私だけでないはずw
当時のムスリムの価値観がところどころにあって、未婚の男女が一緒に出かけることすらタブーなのが歴史を感じました。乙嫁の世界ではそれも緩く描かれているから安心できるけど、現在も変わっていないのを思うと複雑です。


↑伊藤の元雇い主であるマリーズ氏が気になる終わり方でした。ひとくせありそうな氏と伊藤には何が合ったのだろうか。原作を読みたくなるも、バード女史視点だからそれは書かれてないのかな? どの資料をあたっているのか気になります。
バード女史がかわいい。写真のイメージ(中年だし)とぜんぜんちがうけどw


↑本編はあまり進まず、番外編が多かった。どのお話も飛行機マニアっぷりが伺えて楽しいです。あい変わらずのマリア嬢の豪快ぶりにすっきりします。次出るの一年後でしょうか……長いな(^_^;)
posted by 夏 at 19:30 | TrackBack(0) | コミック(少年・青年) | 更新情報をチェックする

2016年12月04日

天の血脈

B01M628S28天の血脈(8) (アフタヌーンコミックス)
安彦良和
講談社 2016-10-21

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え、完結?! もう少し続きそうな流れだったのに……。
というのが一番の感想でした。もともとその予定だったのか、それともあまり人気がでないために打ち切りになってしまったのか……。浦島太郎的なラストにはびっくりして、がっかりというより、複雑な読後感です。

話を無理にまとめようとしたためか、神代パートがほとんどなく、結局ご先祖様(?)たちは何のために、主人公の前に現れたのか疑問のまま。
古代と近代の謎を追うという壮大なスケールの前半。後半は政治的陰謀に巻きこまれます。
そして古代、天皇の血統は朝鮮半島とつながっているのでは、という証拠が発掘されるのですが、その謎を隠蔽するため、命を狙われ――。
おそらく、日本に帰国したあと、さらなる陰謀に巻きこまれる予定だったのでしょう。
残念なラストですが、珍しいテーマを扱っているのと、キャラが良かったので満足です。レビューつけるなら、★4。

明治時代の名士や政治家が登場するめずらしい作品です。当時の満州や朝鮮が舞台に興味があれば、おすすめの作品です。
ただ、ラストが納得できない可能性があるので、その点を考慮して読んだほうがいいかもしれません。
posted by 夏 at 15:43 | TrackBack(0) | コミック(少年・青年) | 更新情報をチェックする

2016年10月01日

ペット リマスター・エディション+その他

B00SXTPAGEペット リマスター・エディション 1<ペット リマスター・エディション> (ビームコミックス)
三宅 乱丈
KADOKAWA / エンターブレイン 2015-02-06

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評判だったので読んでみました。電書カドカワ半額祭りだったし5巻で完結していたのでなんとなく。
今まであまり読んだことのないジャンルの内容でした。気功を原点とした超能力の持ち主と、その雇い主たちの愛憎と攻防劇です。絵柄も今風のキレイ系じゃなくて、ラフで力強いです。だから好き嫌いが別れそう。
読後感はよかったです。ただ、あとがきでこれは第二部とあったからでしょうか、若干、もやもやするというか、これから彼らはどうなるんだろうか、という消化不良。それでも、テーマとしての物語はきちんと完結しているので、読み応えがありました。
人間の生と死、そして人生の最良――ヤマと、誰にも知られたくない過去――タニという表現がうまいな、と思いました。それらをビジョン化しながら、ひとりの人間の心に入り込んで、彼らは闘います。ヤマを塗り替え記憶を改竄し、ヤマをくずして潰したりもします。
そんな闇の仕事に関わる彼らの人生がドラマチック。そのなかで一番、印象的だったのが小悪党だと思っていた古株社員、桂木。彼の意外すぎる過去がラスト近くに出てきます。伏線になっていたとは!
サイコ系サスペンスと若干BLっぽい設定が好きならおすすめです。
(レビューでは傑作、というコメントがたくさんありますが、個人的な感想としては★4レベルでした。どろどろな人間関係ものがあまり好みでないからかも……汗)

B01K19804Cアンゴルモア 元寇合戦記(6)<アンゴルモア 元寇合戦記> (角川コミックス・エース)
たかぎ 七彦
KADOKAWA / 角川書店 2016-08-26

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↑半額じゃなかった、残念。裏切り者の登場でますます展開が気になります。元寇、あと三日でどうやりすごすのだろう?

B01KNLFHAIあれよ星屑 5巻<あれよ星屑> (ビームコミックス)
山田 参助
KADOKAWA / エンターブレイン 2016-08-25

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↑徳太郎の義姉との関係が気になりつつも、ストリップ劇場の猥雑さと開放感が面白かったです。いかにも昭和テイストな戦後描写が好みな作品。内容は清々しいぐらいの大人向けですw

B017QP1F5A狼の口 ヴォルフスムント 7巻<狼の口 ヴォルフスムント> (ビームコミックス(ハルタ))
久慈 光久
KADOKAWA / エンターブレイン 2015-11-14

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↑公弟レオポルドと戦う自由反乱軍(農民)たち。ひとつの悲劇としてまとまった内容。新たな強敵に、ヴァルターはどう挑むのか? ……という思わせぶりなラストでした。あい変わらず容赦ない残虐シーン満載と、戦死する主人公にブレがない作品。

B01IQYKNOOゴールデンカムイ 8 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
野田サトル
集英社 2016-08-19

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↑また出た、強敵――じゃない、変態がwww シリアスなのに笑いがたっぷりすぎ。でも、さくっと死んでしまったり残酷シーンも目白押し。北海道の大自然が美しく描写されて、読みどころたっぷりでした。今、一番続きが楽しみなマンガ。

B01JY4SIBKダンジョン飯 3巻<ダンジョン飯> (ビームコミックス(ハルタ))
九井 諒子
KADOKAWA / エンターブレイン 2016-08-12

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↑失速することなく、ダンジョンの奥深くに進んでいきます。ゲームっぽいと思っていた世界観にも、きちんと背景があることがわかって、作品としての奥行きを感じさせます。もちろん、モンスター料理も楽しみ。

B01K1T8V5Uガーフレット寮の羊たち 6 (プリンセス・コミックス)
もとなおこ
秋田書店 2016-03-16

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↑紙本では完結していたけど、なかなか電書にならなかった作品。ようやく読めて感激でした。いつにもまして、さわやかな少年たちの友情に心温まります。少女漫画だけでなく、日本のサブカルでは滅多に描かれない紳士になる少年をテーマにした作品です。まだまだ続いてい欲しかった……。でも意外な人物が登場したあのオチは面白かった!(寄宿学校を舞台にしたBL系ならあるんですけどね。需要の問題でしょうか、私の知る限り、正統派はほとんどないです)
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2016年07月17日

ベルセルク 38 他

B01GZH4AGQベルセルク 38 (ヤングアニマルコミックス)
三浦建太郎
白泉社 2016-06-24

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変貌を遂げた世界で、安全な土地を求め旅に出たリッケルトとエリカは魔物に襲撃されたところを新生鷹の団に救われた!導かれるがままに辿り着いたのは白き鷹グリフィスが君臨する都ファルコニアだった。グリフィスと鷹の団への複雑な想いを胸に秘めたリッケルトは…。一方、海神の危機を脱したガッツ一行はキャスカの身の安全と、精神の回復の望みをかけパックの故郷、妖精島へ向うのだった。

ほぼリッケルトが主人公。
ようやく読めた続きはとっても面白かった!!!
最後の話でついにガッツ一行が妖精島に到着するので、いよいよクライマックスへ向かうのでしょうか。そうあって欲しい。
20年以上も読み続けているから、できれば数年以内にラストに到達して欲しい。背景少しぐらい手抜きでもいいから……。

その他、最近読んだマンガ

B01DDOQ7H4ゴールデンカムイ 7 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
野田サトル
集英社 2016-04-19

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壮絶なひとくいヒグマとの闘い!
残酷なシーンてんこもりですが、あいかわらずシュールなギャグとの落差に笑えます。
まさかのBL展開w 杉元のしらけ顔で〆るラストがシュールすぎw
あと競馬のあれこれのうんちくが歴史マンガらしくてよかった~!

B01FCT0YVSふしぎの国のバード 2巻<ふしぎの国のバード> (ビームコミックス(ハルタ))
佐々 大河
KADOKAWA / エンターブレイン 2016-05-14

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1巻より絵が洗練されてました。
あえて難儀な道程を選ぶのがバード女史らしい。そしてあまり知られていない明治時代の裏日本――新潟の貧しい現状がこれでもかと描かれていました。
北海道に到達するまでまだまだかかりそうですが、先が楽しみな作品。
posted by 夏 at 17:55 | TrackBack(0) | コミック(少年・青年) | 更新情報をチェックする

2016年05月06日

安部窪教授の理不尽な講義 全2巻

B00BH94824安部窪教授の理不尽な講義(1) (ビッグコミックススペシャル)
滝沢聖峰
小学館 2006-06-30

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この世に起こる“森羅万象”“魑魅魍魎”すべてに明解に答え、知識の極北に立つ男・安部窪太教授。優雅なティータイムをこよなく愛する男が不可解な事象に挑む、怪奇現象解明ミステリー!!

女流飛行士マリア・マンテガッツァの冒険が面白かったので、別の作品を購読。これも面白かったです。
まず安部窪教授のキャラがいい。無愛想、堅物、厳格で学生たちから恐れられているのに、教授を慕う主人公沢田と宮嶋には父親のような存在。まったく笑わなくても、彼なりに学生を好いているのがわかります。

内容はシュールなギャグ寄りで、超常現象をこれでもか、とばっさり否定するのがかっこいい。その超常現象をテレビ局がとくダネとして放送するのが笑えます。宗像教授シリーズに少し雰囲気が似てるなーと思いました。
読みきり短編シリーズなのもあり、気軽に読めるのもよかったです。

ヒロイン宮嶋さん。当初は真面目な教授のアシスタント風だったのが、だんだん行動的でかわいくなってます。画風の変化も楽しめます。ただ、教授はまったく変わらないのが笑えますがw
独身なのかと思ったら、まさかの娘登場。しかし全然似ていない……。
posted by 夏 at 16:35 | TrackBack(0) | コミック(少年・青年) | 更新情報をチェックする